世界中に分散しているサーバー上コンピュータの資源(リソース)をインターネットを介して利用するサービス様式およびサービスそのものをクラウド(雲の意味あい)といいます。
そしてサーバーやコンピュータ、およびその中のOSやミドルウェア、統合開発環境、Webアプリケーション、Webストレージなどが利用可能なサービス資源(クラウドのリソース)に相当します。
でもそうした各種リソースの物理的・空間的位置や物量は意識しないで利用されるのが通常です。まるで世界中に張り巡らされた雲(クラウド)の中からどこにいてもとりだせるリソース(サービス資源)、のようなイメージからこう命名されているのです。
クラウドの基礎知識
スマホなどからクラウドを利用するのに必要となりそうな基礎知識をまとめてみました。
クラウドサービスって何?
インターネットにつながった世界中のコンピューターのうち不特定多数にサービス提供することを前提として設置されているコンピューターを「サーバー」といいます。
イメージとしてはビールサーバーの類です。
そしてビールサーバーが雲の中に隠れて存在自体が見えませんが雲のどこからでもビールを注いでもらえる。そんな自在に空を飛び回る神様たち(お客様)にとって便利なビール提供方式を「クラウド」と呼称しています。
特徴
インターネットでつながってないと使えないです。オフラインで操作したとしても最終的にはネット接続のうえでデータや文書等編集を同期したり共有することになります。
場所が不特定
世界中どこにいてもネットにつながっていれば利用できるのがクラウドの大きな特徴のうちの一つです。世界のどこにいても見つけることのできる雲、その中に隠れていてアクセス可能なクラウドサービス、みたいなイメージで結構ですよ。
提供している代表的企業
- amazon(アマゾン)
- Google(グーグル)
- Microsoft(マイクロソフト)
三階層のクラウド
- Saas :手元に入れたアプリではなく
- Paas :開発環境をクラウド上に
- Iaas :専用サーバーとの本質的な違い
Saas(サース、Software as a Service)
Weアプリケーション+
Paas(Platform as a Service 、パースまたはパーズ)
OSやミドルウェア
Iaas(Infrastructure as a Service、イアース、アイアース)
※インフラとは仮想マシンやネットワークなどのHW寄りの基盤リソースの事。
仮想化された専用サーバーというのが典型的なIaasです。
専用サーバーは一つのネットにつながったコンピュータおよびOS、ミドルウェアを自由に使うことができるサービスですが。CPUの種類やメモリ容量、アプリや統合開発環境の対応などはサーバー提供会社の都合にある程度しばられます。
それに対して仮想化サーバーというものは、ハードウェアやソフトウェアの組み合わせを仮想化技術によって柔軟に入れ替え可能なサーバーなのです(これが典型的なIaas)。ちなみに、価格体系なども柔軟であり短期間突発的に使用するなどでも従量制料金で気軽に使用できるのも魅力となっています。
クラウドストレージとは
クラウドとして利用できるオンラインストレージ(データ保管サービス)です。従来のサーバー型記憶リソースと異なるのは、一箇所に物理的・空間的指定がないという点でしょうか。料金についても無料であったり有料でも安価で柔軟な従量制(使った分だけ)な料金体系なのが特徴です。
代表的なクラウドストレージ・サービス(無料)
基本無料なクラウドストレージの一例をあげてみましょう。
- Google ストレージ
- iTunesは?
Google strage と iTunes の大きな違い
Googleストレージは基本クラウド上のサーバーデータとユーザー側のローカルデータが密に結びついていて、しかもサーバー優位です。具体的にはクラウド上のデータを削除するとユーザー側(例えばスマホ)データも連動して削除されます(そのままでは保持不可能)。
それに対し、iTunes(アイ・チューンズ)ではクラウド側のデータ(向こう側)とスマホ等のローカルデータ(こちら側)は分けて管理することができます。なのでクラウド(Appleのサーバー)のデータを消してもスマホやPC側のデータを切り離す・残す事が可能です。
ただし、iTunesで同期やバックアップを行うときに結構ローカル側のスマホ/PCデータを紛失して二度と回復できなるという事故は結構頻繁(ひんぱん)に見受けられます。
クラウドとそうでないものの見分け方
クラウドなのにアプリのつもりで使っていて偶然サーバー上のデータを消したらスマホ・PC側のデータも消えてしまったとか。逆にアプリをクラウドサービスのつもりで常にバックアップされている前提で使っていたのに実はローカルな非クラウドアプリだったためバックアップ全然されてなかった、だとか。
それだと、あとで気まずい思いをしてしまいます。何をもってクラウドというのか最低限の理解が必要となるでしょう。
メールアドレスなど
ユーザー認証
サービス開始時、IDとパスワード
ネットにつながっている
必須
どこにいても使える
送受信
閲覧
編集
複数の端末で使える
共有
同期
複数人で使える
共有
複数人での開発
ホスティングサービスとの違い??
★仮想化技術の有無・・・柔軟な造り
どちらが良いのかはケースバイケース
▽複数人での開発環境:ネット上
両者とも特にクラウドの記述がないことから、サーバー形式の非クラウド型であるようです。編集スピードやデータの同一性確保などを優先しなければならない事情から仮想化されたリソースではなく実物理HWでの提供形式を貫いているのでしょうか?
・GitHub(ギットハブ)
オープンソース開発環境です。
・Team Foundation Server (TFS)
visual studio 2017とかでの開発環境です。
スマホ向けによく使われているクラウド
企業別
- Gmail
- Google Storage
- Google Drive ・・・非推奨(2017~) サービス終了(2018.3)
- Google Cloud Pratform(GCP)
※ちなみにGoogle Driveは2018年以降、「バックアップと同期(Backup and Sync)」 サービスへの移行が推奨されています。
Apple
- iTunes
microsoft
何?
著名なサービス
Dropbox
リンク共有
閲覧
共有フォルダ
編集
EverNote
スマホ向け
文書管理システム
その他
AWS, Azure, Google各種クラウドなど
プロバイダ
- メール、OCNなど
その他
- キャリア
- MVNO
- その他
クラウドの使い分け
同期
バックアップ
個人情報
家でも外でも使いたい
データ共有
複数デバイスでの利用
一時的なデータ保管用
注意点
- 同期やバックアップの失敗
- セキュリティ重要度大のデータ流出
- 共有等による編集の権限管理が不十分
- 突然のサービス終了(の可能性)
- 端末間、OS間の互換性やデータ移動への対応有無
クラウドのセキュリティを考える
クラウドサービスのセキュリティは完全ではありえません。圧倒的大多数の人たちが時間や場所にかかわりなく自由にアクセスできるのと引き換えに、安全性という意味では常にデータ流出・漏えいの危機にさらされています。
とはいっても比較的安心して使えるサービスではあります。特に個人情報などを適切に管理する自身がないなら、セキュリティ管理をクラウドに一任するというのは妥当かつ現実的な選択です。
自分でセキュリティを管理・維持できないなら
全くセキュリティ対策を施さない・できないようなら、クラウドサービスで半自動的にバックアップ等行うほうがはるかに安全です。
クラウドに全面的な信頼が置けないなら
個人によるセキュリティ管理は手間暇・労力・金銭的負担等が割高ですが自己責任のもとで自由裁量的なセキュリティ対策を施すことが可能です。重要なデータのみ自分で管理しそれ以外はクラウドに任せるというやりかたでも良いでしょう。
折衷策
- データの重要性で使い分ける
- 信頼性の高いサービスに利用を限定する
- 個人情報の扱いは最終的に自己責任である